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ムンドノーボぽこブヨ〜ダン活動報告SPぱふぉ 格闘記33その3......2010.12.14(12.21画像追加)

カザフスタン短期遠征編〜第3話(全5ページ、8話連続)
2日目、公演初日。

夜明けは遅く、7時すぎに起きる。
部屋は3階で、窓から冬の木々、雪、たくさんの鳥、の公園。そして、ロシア?イスラム?丸とんがりの金のドーム屋根の教会?そして背景にはテンシャン山脈がくっきり迫っている。
朝日はまだ出ていないが山並みから後光が空に放射状に広がっている。いい朝だ。ホテルのビュッフェは7時半より。
寒い地域に行くのを期して、ここ数週間、珈琲を飲まず、脂肪蓄積をこころがけていた。しかし、ここ一発、燃焼の時を迎えたので珈琲飲みたい。
でも、ネスカフェやティーバッグしかない。これは国中そうだった。主流はチャイのようなミルクティーのようだ。

さて朝食後、劇場まで歩く。昨晩よりは暖かく感じるがコート無しでは風邪をひくだろう。髪型のせいか、なんとなく、視線を感じる。
ロシア、西洋系も多いが、アジア系も多い。足が長い。離れ目タイプの美人が多い。好み。
シルクロード文化の終着駅の日本から、中継点まで帰って来た、そんなイメージでなんとなく懐かしい感じがする。
ペルシャが本場?というが、民族衣装などに唐草模様風があったり、

まずは、パレード部隊を完成させ、試験走行、イントロのテスト、確認。徐々に新たなアイデアが出てくる。調子はいい。はらしょー。
スタッフは8時半集合との話だったが、9時すぎにぽろぽろ集まり出した。
しかし、昨日の晩の打ち合わせで、本番では背景のLEDスクリーン(なかなか高そうなシロモノ)が白っぽいので、その前に黒幕を下げる、という話だったが、動き無し。
大島さんの義兄弟が幕間暗転時に自分の持っている、自分の曲をかけよう、と言っていたが、来ない。(大島ブログ参照、朝、ブルガリア組を迎えにいって、昼間は観光案内していたらしい)
9時45分客入れ、という話で、あっという間に時間が迫る。疲れもあったし、でたとこ勝負で、1回目がゲネプロを兼ねるということになる。
10時開演という話だったが、まず、地元のマジシャンがやってから、という話を聞く。なんと前座?を用意してくれたらしい。
黒ずくめの格好をした、かっこいいベテラン風のその方が9時半すぎにやってきて、握手してくれたが、その時はその話を聞いていなくて、誰だかわからなかった。
10時直前、その方は舞台に道具をセットしてから舞台袖で服を脱いで上半身裸になって着替えている。僕は既にタイコセット他を装着してスタンバイできてるのだが.....いつ始まるの?
10時になったが、お客さんはちらほら。ほんとに客無し本番練習?ま、フル装備でしっかり通したことがないプログラムだったので、その方が....絶対、最初はうまくいきっこないのだし。
ところがお客さんがぞろぞろ、入って来た。幼児が多いらしく、ステージ前の空間に低い長椅子を置くという。階段前だと客席に降りられなくなるので動かしてもらったり....状況が刻々と変わっていく。
10時15分くらい?に開演、マジックが始まる。時間は聞いていないが.....15分くらいだったらしい。
僕は時計持ってない。僕のフル装備は重いし、かさばるし、自由が効かないし、とにかく舞台袖から見守る。客席はわからないが半袖なので寒いし。もう、野となれ山となれ。
日本でも見かけるマジックではあるが、なかなか多彩でうまい。火や、クラッカーも使っていて、派手だし、こりゃ、私らは色あせちゃうではないか、と、まじで思った。ま、いいや。
マジック終わる。司会がブラボー、と見送り、お二人がカザフ語とロシア語で、ぽこブヨ〜ダンを紹介しているらしい。
日本から持って行った、パレードDVDの映像がスクリーンに3分ほど上映される。演奏音声にあわせて手拍子がおこっていた。好意的?期待するなよ〜。
上映後、一旦暗転。その間にアレレが背景画を舞台中央にセット。いよいよ初演だ。さあ解放だ。
ううむ、前のマジックの方が使ったクラッカーのキラキラテープやら新聞紙やらがそのままだ。足下がぐちゃぐちゃだあ。まいいか。
「ずどらーすとびちぇ、むんどのーぼ......いず、やぽにあ」(こんにちわ日本からのむんどのーぼ......)と喋ってパレードで開始。

 

カザフスタン短期遠征編〜第4話
なんだか、あったかいぞ?

手拍子が起こる。うれしい。日本らしさを要望されていたので、パレードで1曲目は「箱根八里」老人ホーム訪問時代のレパートリー。リズムに変化があり、勢いがいい曲。
さて、シシマイ人形を使った挨拶、人形劇風導入はちょこちょこと笑いや拍手があり、なかなかいい反応でびっくり。通じてる?
隊長のシシマイ仮面登場、村祭りで、客席に降りる。小さい子でも怖がらないで喜んでいる。日本だと初めは結構ひいちゃうお客さまもいそうなものだが。
飯田人形劇フェスにも感じたが人形劇ファンというのはなかなか暖かい?楽しむ見方を知っている?
まずは第一幕パラーダ、シシマイ終了、暗転。
ここで、日本から持って行ったロシア語の筆書きめくりを大島さんにめくってもらう。
これは千葉の田舎の、うちの近所で親しくなったロシア語ができる漫画家さん(めずらしい)に書いてもらったもの。
実は大島さんだけでなく、強力なロシア語の助っ人がいたのだあ。ロシア語だけでなく、演技、台本も見てもらった。なんという幸運だったことか。
あとで、ビデオを見ると、こどもがちゃんと「サムライ」とか、読んでいたり、親が子どもに教えている声が入っていた。

幕間の準備やつなぎなどにはもたつきがあったり、袖のマジックさんの荷物が邪魔になったり、うまくいかないことも多かったと思うが、なんとか次にはつなげた。
2幕目はももたろさんの曲でペンギン行進、そしてアレレ隊長の和傘上のペンギン歩き。二人のからみの手順がやや甘い。
3幕目はサムライ、背景画の冨士からブタとウサギのサムライが登場し、アレレと私で刀を自慢して戦いになっていく。「剣の舞」手拍子あり。受けている?
最後に切られて血を出したブタムライが救急車に。(いつものパターン)お客さまにお手伝いコーナーは小さい子でも割と気安く応じてくれた。
ロシア語の台詞が多いので苦戦。緊張すると台詞が出てこない時があった。でも、お客様の反応は上々?暖かく、わっと沸いてくれていた。
4幕目はサーカス。ここで、和物から転換。いつもの綱渡りとタイトルマッチ。
3、2、1、のかけ声は、この国では1、2、3、の方がいいということで「あじーん、どぅばー、とぅりー」お客様も唱和してくれる。うわ、いいぞ〜。
ゴジラも無事に?ダウンしてくれた。ゴジロー偉い。
最後のパレードの手拍子も場内多くの方が合わせてくれた。特にかなり小さいこども、2歳児?がのりのりだった。
パレード終了後も退場まで手拍子があり、再び登場、予期せぬアンコール演奏となった。日本の某有名曲風?の曲で、客席におりながら演奏。
いやあ、終わったじゃん、できたじゃん、珍しく大きな失敗なかったじゃん、うら〜(やった〜)目下、我々の公演のなかでも世界最大級のウケ方だった。
「スパシーバ、アリガト、Thank you、ブラボー......」「てよーた(トヨタ)かむり」「グラシアス」まであったかな?なんかよくわからなかったがいろいろ賛辞をいただく。
そのあとは記念写真攻め。スタッフや、劇場の人形劇団員の人やら,みんな来た。テレビ局の取材もあって、いつもの汗だく状態でもう、キモチイイ。来てよかった。

ずっと手拍子喝采で手が写っていない子ども。 ステージからの新聞紙細切れは前のマジックのもの。終盤は席を立ってかぶりつく子どもたち。

大島さんもリハの時からのあまりの化け方にちょと驚いていたようだ。まさか最初にこんなにうけるとは。ステージはお客様と作られる、と思った。カザフのお客様は最高だ。
それはいろんな皆様の協力があって、その思いを伝えるパフォーマンスをする機会、状況を与えられ、それを受け取ることのできるお客様がいて、その環境を整えてくれた劇場と...多くの要素がシンクロした奇蹟。
しかし、1回目が上手くいったからといって2回目がうまくいくとは限らない。いや、たぶん、1回目以上をできるのは無理かも。一期一会だし。
などと、興奮しておしゃべりしている場合ではなかったのだった。
1回目が終わり、ステージ装備をリセット中、昨日の話の、スクリーン前の黒幕はり作業が始まって、リセット中断。
楽屋で汗のTシャツを替えたりしていると、電気が消える。停電?5分くらいで回復したが、本番中だとやばいなあ。
そんなこんなであっという間に開場時間。黒幕が、袖を狭くしてしまい、出にくい感じになってしまった。この黒幕の出現により、ステージの奥行きが1メートル弱、削られた。
12時、なんと、オンタイムに始まった。急いで装備を装着し袖に待機。
すると、誰かが、話しかけてくる。ロシア語、わからん。ステージで少しくらいしゃべっても、それしか、憶えてないもの。
出だしのビデオ上映の間までは黒幕が上がっている。(両端は垂れて下がっていて邪魔)黒幕の真下にアレレ隊長のシシマイ仮面が置いてあった。黒幕が下がるとかぶさってまずい、と言っているらしい。
それはわかっているが、マジシャン演技中や上映中は何もできないでしょ?でも、返事できない。するとその係の人は反対側に待機するアレレ隊長にも言っていた。
とりあえず、暗転中に位置を変えた。上映が終わって、出番だ。ワイヤレスオン。変なノイズが小さく聞こえた。ん?これは、たぶん、プラグが入っていないので生ずる音だ。
隊長の音が出るか確認を促す。出ない、という様子。プラグを確認しろと指示。やはり、入っていなかった。おいおい、しっかりしてちょーだい。

 

カザフスタン短期遠征編〜第5話
2回目は.......やはりそうなるか?........

第一幕終了。袖に2幕目の小道具のペンギンをとりに戻ってくると、少しは明るさを残しておいてもらうはずが、完全暗転、真っ暗になっていた。
さらに、例の黒幕があって、舞台裏の明かりさえ入ってこない。何も見えない。僕のぺんぎんちゃんは何処?袖を手探りでさまよう。ギターの先につけた棒は50センチ以上飛び出ているし、タイコもお腹についているので、身動きしにくい。暗黙の時間が流れる。おーい、でんき〜〜.....とも言えない。わからなーい。
黒幕の裏を手探りしていると足になにか当たった。地面のものを拾うのさえ困難な装備だったが、がんばって床をまさぐると、あった!まいったね。
で、手探りでペンギンくんをセットしつつ、演奏をハモニカで開始。やっと明るくなる。ペンギンが倒れていないか確認しながら演技開始。あせったよ.....もう......。
ん?ギターの音が変だ。黒幕にギターのヘッドがひっかかってチューニングを狂わせた?ううむ、まずは6弦の音をなるべく使わないようにして......。
ま、スリーコードの童謡だから...。なんだかしまらない音での演奏は気持ち良くない。曲の合間に応急チューニングを施すが決まらない。
黒幕のせいで、バックスペースが狭くなったが、そこにパレード部隊は待機状態になっていて....アレレ隊長も隠れているので......通れない、背景幕の回りを回れない。
踏まないようにしながら、アレレ隊長をばたばたとどかして、いや、アレレ隊長も、どかして、いや、、そうなんだが、アレレ隊長がパレード部隊をどかして.......うう、つらい.....。

しかし、試練はまだまだ続く.....。2幕目が終わると、また、完全暗転。やっぱねえ......。
また、手探りで探す。マジックの方の道具が障害になる。自分の道具を載せた椅子をひっぱりだす。道具が落ちる。やめて〜〜〜〜。また、無理な姿勢で拾う。
ばたばたと3幕目に入る。台詞が出てコナーイ。チューニング合わなーい。剣の舞はかなり不協和音的テンションのある曲だからま、いっか〜......ぐすん。きつかった。
3幕目終了後、舞台後方にてチューニングし直す。えらい時間をお待たせしている感じがする。ごめんなさ〜い.......。
4幕目は袖に置いてある物はないのであったが....牽引ロープがからまったり、とにかく、流れががたがたで、余裕無し。笑顔のアピールも少なかった思う。きっと口は笑っていたが目が泣いていたかも......?拍手も少なく感じる。
1回目、綱渡りが見えにくい位置取りだったようだったので修正を期す。しかし裏目に出て、支持している和傘、を支えている箱車ごと倒れかける。どたばたどたばた。
最後のパラーダのあと、一旦引っ込むのだが、黒幕があって、一方通行状態につっこんだ感じになる。拍手もだんだん細くなっていったので.....アンコールせず。
すいません、今回は甘えません。ちょと、失敗しちゃったんです。出直させて下さい。お願いします。という心境。この辺のリカバリーについては諸氏ご意見あろうかと思う。

お客様は席を立ちはじめた。ステージにまたテレビの取材が来た。写真撮影の希望者がいたので、ステージにどうぞ、とやったら....小学生の集団が上がって来た。
1回目に比べると、ぼろぼろというか、ばりーと(いたたたた)ぱまぎ〜ちぇ〜(助けて〜)だうなー、という感じになってしまった。しゅーん。
芸の道はやはりあなどりがたしじゃ。いやあ、そうなるのではないかという予感はあったのだが。

3回目は15時からなので、間がある。
失敗の原因を分析、修正を考え、次のこやしとしよう。2回目は諸条件の裏目もあって自分としては40点というところ。1回目は初めてにしては上出来だったので90点かなあ....。

弁当というか、食べ物を買って来てもらった。僕はパフォーマンス前はあまり食べない。やることが多いので、頭に血が行かないと、コードを見失ったりする恐れがある。
しかし、消耗していたし、いっぱい残ってしまっていたので......ちょと食べ過ぎた。
3回目は1回目以上にうまくやりたいところ.......果たして.......?

かさぶた子(ケガはしてない) サムライ和風組ブタムライ ウサムライ、と、ウシムライ、と青漁船員と...

つづく....その4へ(全5ページ、8話連続)

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