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ムンドノーボぽこブヨ〜ダン活動報告SPぱふぉ 格闘記33その2......2010.12.14(12.21画像追加)
カザフスタン短期遠征編〜第2話(全5ページ、8話連続)
着いた〜「今日、むんぽこは初めて〜カザーフに着いたよ〜」準備編
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陽が落ちたテンシャン山脈 |
現地気温、マイナス10℃。飛行機からバス。もたもたしてたら....タラップ階段を目の前にバスが満席でストップ。先行した大島さんにぶっちぎられる。
機内が暑かったのでコートを着ろ、と言われる。カザフの風、おそるおそる体感。まあ、気持よい。
やっと次のバスに乗った。でも、ドアが閉まらない。客が押さえながら発車。
モスクワあたりからの他の飛行機の客と合流し、入国審査に列ができていた。後ろに並ぶと前から声。サダムフセインを縦に圧縮したような恰幅のいい、迫力ある男が入国管理官や警備官をどなりつけていて....こっちに来いと手招きしている。
列の先頭に割り込ませてもらう、いや割り込まさせられる。税関を通り越して入官をしきるこの御方が大島さんの義兄分のハーリックさんだった。
権力者なのか、迫力勝ちなのか....この方のお話....伝説はいくらでも続くのだが大島さんのブログを見ていただきたい。
貨物室荷物が出てくる所には既にギターが出て来ていた。ベルトコンベアが細めなのか、途中でつまって荷物があふれて下に上にの大混乱になった。
気の毒なので直してあげたが何個か落下していた。まだ、入管で引っかかって受取人が来ていないのだろう。あ〜、早く出させてもらって良かったあ。
最後の一個がなかなか現れず、大荷物5個がそろった時はうれしかった。
税関検査、ハーリックさん、そのまま突破を計るも止められる。こちらはエックス線検査機に通すくらいはいいと思っていたが、ハーリックさん、交渉してノーチェックに。
一緒に大島さんの義弟分のロマさんという方にもお迎えしていただいた。日本でもサーカスや大きな大道芸フェスにも出たことのあるアクロバット、クラウン、カバの調教、いろいろこなす超ベテランアーチストとのこと。しかし、大島さんとの親しい関係もあるのか、きさくでちっとも偉そうなところを感じさせなかった。
とにかくお二人とも兄弟分の大島さんの来訪を喜んでいるんだなあ。素敵だ。おもろい。
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空港を出ると、寒い。すぐ咳き込む。手袋を口にあてて空気をあっためる。ホテルまで30分弱。もう夜だし空港周辺は割と田舎なので、なんとなくぼろく、アジア的だがちょと固い感じもあり。
道路はべたっと薄く踏まれた雪。沙漠のはじっこで雪はあまり降らないという。歩行困難なほどではないが、慣れないので、すべらないように注意する。
車はぼろいソ連製が少しで、大半日本車、ドイツ車、韓国車の順。ハーリックさんの車はアウディー。俺は農民だから普段は牛や馬を載せている、とかなんとか言っている。
僕のと全く同じ日本語の安いETCの機械がついている。日本人と結婚した息子の関係でついているらしいが、カザフにETCはなく、ご当人もなんの部品かわからん、とのたまう。
ハーリックさんと大島さんはずっと、車の中でロシア語でしゃべっている。何を言っているのかわからないが、一緒に笑ってしまう。
ずっとコントをしているようだった。回りのニンゲンを皆、芸人にしてしまうようなクラウンオーラを放っているようだ。
はてさて、ホテルに着くと、ご飯の時間。肉の煮物、肉のピラフ?でも、機内食(肉系)も食べていて、あまり腹が減ってない。
というか、一日飛行機でじっとして、食ってばかりいた。早起きして、日本時間ではもう夜中になるわけで、ぼうっとしてしまう。あまり食えなかった。
しばらくして腹が痛いのでうんこがしたいことに気がついたが.....
このホテル、キリル文字が読めないので名前さえ知らなかった。帰ってから「歩き方」で調べるとオトゥラルホテルだった。
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歩いて5分もしないところに今回の国立アルマティ人形劇場があった。これは助かる。夜8時すぎ、劇場入り。まだ、ステージ上はその日の公演のモスクワ勢が撤収中。
舞台下で、荷物の梱包を解く。関係者がいっぱいいて皆手伝ってくれようとする。助かるのだが考えながらやらねばならない。
航空仕様はかなり、ばらしてぎゅうぎゅうに隙間なく詰め込んであり、あまりに組み立てる部品点数が多いので手順が必要。
もたもたしていると夜中になりそうでプレッシャー。
普段はあまり組み立てには参加させないので暇を持て余すアレレ隊長もやる気まんまん。しかし、アレレ隊長ができる部分を依頼するためには部品を探して渡さなければならない。マイペースで組み立てができない。特定の部品を探し出すのは困難だった。
さらに、劇場床は模様のある絨毯だった......。小さい部品があっと言う間に溶け込む。おそらく4時間のうち30分は探し物をしていただろう。
アレレ隊長が自分で組み立てできるものはほとんどない。自由な発想が得意の隊長は憶えることが苦手である。指示をして組み立てができるものはあるが、説明するくらいなら僕がやった方が早い。
無理だからやめとけ、と言ったが自分で組み立てたパレード山車があったが.....やはり変だった。ここが違うと指示したが.....やっぱだめだった。それは、ホテルに持ち帰って僕がはじめから組み立て直した。
まったく絶妙のコンビでござんす。
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赤冨士に松、鶴、下に小さく地味亀 | 裏はサーカステント風 | MUND NOVO.....アレレ?MUNDOのOがまたない、と足した | POCOシルク..サーカスの意味、後の4文字はロシア語キリル文字 |
とはいえ、アレレ隊長自作の新作が出発間際に完成していた。2メートル平方のやや大きいついたてのような背景画の布だ。表面裏面と、リバーシブルで、和風、鶴亀冨士、と、サーカステント風の2面。持参したスタンド据え付けなど、隊長もシゴトした。
本番ではステージ中央に設置され、冨士を登ったり、すべったり、サムライ人形が対峙したり、ペンギンが回ったり、隠れたり、和傘が登場したりと、日本風スパイス、というか、オリジナルのわさびにんにく醤油として活躍。
大きなプラスチックの箱は先頭の山車に変化するのだが、車輪をつける部分が破損していた。あまり工具がないのでガムテープなどを借りて応急修理。
やはり、トランジットは荷物ダメージが2倍かそれ以上になるようだ。取付け穴を開けていた部分は強度が落ちてしまう。
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左側、無事だとこんな感じで車輪を取付けます。 | 右側、接合部が完全に脱落....これでもなんとかくっつけました。 | 帰って見ると....他にもかなりのダメージが...相当な扱いを | 受けたのでしょう...。 |
コラム...僕はクリップニンゲン? 100の人形を踊らせるためには軽量化が大事だが、すると強度は出せない。3ミリ、4ミリのボルトは多用しているが、穴をあけるとそこから壊れる。 |
航空仕様組み立ては慣れないし、複雑なのでなるべく一人で組み立てに専念したかったが音響、照明の方が待っているということで、まず、場当たりができる程度の機材を先に組み立てることにする。
まず使うものと、そうでないものを選択、捜索しながらだからまた時間がかかって、到着後2時間後くらいに、音だし、仮リハ開始。
腹の調子も悪く、てんぱってきてましたね。笑顔完全消滅。
頭が回らない中、人が見守って緊張する中、かなり痛さと不安を感じつつまずはカザフ最初のパフォーマンスを終了。
なるべく、他の方には帰ってもらいつつ、しつこくパレードやらタイトルマッチのリング機構などを組み立てる。
あちゃあ、リングの箱の回りの金布を忘れた....出発前のクリスマス仕様に使ってしまったのを回収しそこなった。代わりの布があったのでなんとかみかん箱を隠せた。
12時過ぎ、一通りできたあたりで、停電。仕上げは明日にしてホテルに帰ろうと思ったが真っ暗で動けない。懐中電灯が来て、なんとか、帰れるか、と思いきや、電気がつく。ついつい、かたづけながらまた作業を続けてしまう。12時半ごろ、ホテル帰還、うんこしてシャワーあびる。
さあ、やっと、歓迎の宴。ピーマ(ビール)とウオッカでザトースト(乾杯)。大島さんの部屋で、3兄弟とむんぽこ、あわせて5名で、熱い出会い(再会)の歓びの酒宴を賜った。
豪華料理の差し入れが机狭しと並び、疲れと感動に涙目になりながら、杯はすすんだがあまり食えなかったのが残念。しかし、普段ビールしか飲んでいないので、ウオッカのストレートの乾杯はちょとやばい。それがまあ飲みやすいし.....
2時あたりをもってお先に就寝させていただく。日本時間は朝だ。この料理、もったいないなあ、3兄弟が平らげるのかなあ、と心配したが....(その先は大島さんブログ参照)
長い一日だった。もう、シゴトの半分は終わったようなものである。